コロナウィルス問題により営業自粛・出勤時間短縮の影響で、世帯の収入減が今の日本では一つの問題となっています。
出費の割合が比較的大きい住宅ローンの支払いが、負担になってしまっている人もいるのではないでしょうか。
収入減の状況の中、住宅ローンの返済額を減らすために、住宅ローンの借り換えを検討している人が増えています。
この住宅ローンの借り換えとはどのようなものなのでしょうか?本当にメリットがあるのでしょうか、住宅ローン借り換えの条件や信用情報とはなにか?これから住宅ローンの融資を検討している人でも、借り換えについて知っておいて損は有りません。
目次
住宅ローンの借り換とは?
住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを組み現在自分が借りているローンをまとめて返済してしまい、今まで借りていた金利よりも低い金利の住宅ローンに借り換えると、金利差の分だけ返済総額を減らすことが可能になります。
今の日本の住宅ローンの金利は超低金利の状態にあります、銀行によって金利は変わってきますが、1%を下回っている住宅ローン融資も多く存在しています。
で、借り換えを行うことによって、返済総額を減らすことが出来る人も増えていると言って良いでしょう。
借り換えの対象になる人
住宅ローンを借り換えることによって、どれだけ返済総額を減らすことが出来るのでしょうか?およその目安として「住宅ローン残高1000万円以上・返済期間10年以上・金利差1%」この条件を満たしている人であれば、借り換えを検討する価値があるでしょう。
一例を見てみましょう。
これを金利0.5%の住宅ローンに借り換えると…
(※住宅ローン借り換えのシミュレーション結果をもとにしているデータなので、実際の申し込みの際とは異なる場合があります。あくまでも参考としてお考え下さい。)
毎月の返済総額が0.4万円、年間4.8万円、10年間で48万円ほど返済総額を減らすことが出来たのが分かったと思います。
しかし、住宅ローンの借り換えには別途諸経費が必要になります。
借り換え先の金融機関に支払う手数料・現在の借入先に支払う手数料・税金その他費用が発生します。
この諸経費を差し引いた金額が実際の支払額減少額というわけになります。
どこで住宅ローンの借り換えを行ってもらえるのか
住宅ローン融資を取り扱っている金融機関であれば、住宅ローンの借り換えも取り扱っています。
現在の金利のほうが安ければ、同一の金融機関内でも住宅ローンの借り換えは可能です。
金融機関のホームページにて、住宅ローンの借り換えのシミュレーションが利用できる所も有るので、気になったら確認してみるのも良いでしょう。
借り換えの際には住宅ローン融資を行ったときと同じく、借入状況や信用情報などの審査が再び必要になります。
住宅ローンの借り換えのメリット・デメリット
住宅ローンの借り換えには良い点だけではなく、悪い点も残念ながら有るのが事実です。
借り換えを検討する際には、悪い点も念頭に置いて行動することをオススメします。
住宅ローン借り換えのメリット
支払う利息が減り、総返済額の減額につながる
まず最大のメリットは住宅ローン支払いの負担を減らすことが可能になる点でしょう。
一例では1000万円・10年で試算しましたが、この数字が大きくなればなるほど実際に支払う金額が減ります。
返済期間25年で・残高3000万円・利息1.5%を利息0.5%の住宅ローンに借り換えることができれば、250万円ほど返済総額を減らすことが出来ます。
住宅ローンは人生の中で一番に入るほどの大きな買い物です。
その支払額を減らすことが出来れば浮いた分のお金を別のことに使えますし、自分の生活を豊かに出来るのは間違いないでしょう。
長期固定金利への乗り換えが可能
日本の住宅ローンは現在歴史的な低金利水準にあります。
現在変動金利で住宅ローンを借りており、将来的に金利の水準が上がってしまうのではないかと不安に思うことがあるのなら、今のうちに低金利の長期固定金利へ乗り換えてしまうのも良いかもしれません。
団体信用生命保険の見直しができる
団体信用生命保険に加入していると、借入人が死亡または障害などで返済が不可能になってしまった場合に、住宅ローン残高相当の金額が保険金として銀行に支払われます。
住宅ローンの借り換えを行うと、一度それまでのローンが完済されることになるので、今まで加入していた団体信用生命保険の契約は終了してしまうのが一般的になっています。
通常であれば団体信用生命保険を住宅ローン返済の最中に変更することは出来ない仕組みですが、住宅ローンの借り換えを機会に、より保証が充実している最新型の団体信用生命保険に加入することも出来ます。
最新の団体信用生命保険には借入人の死亡や高度障害だけでなく、がんの診断を受けてしまった場合や、生活習慣病により180日以上継続して入院になった場合に、保険金として住宅ローン残高が0になるように保険金が支払われるというものがあります。
家族のライフプランを見直すためにも借り換えの機会が有るのならば、団体信用生命保険の内容を確認し、見直しも視野に入れておくと良いでしょう。
融資先の一本化を計れる
いくつもの銀行で融資を受けており、給料口座と支払いの引き落とし口座が違っていると、自分の資金管理が大変になります。
資金を動かす手数料の額は少ないですが、それでも毎月の回数が多かったりすると、決して見過ごせない金額になってしまいます。
自分の給料口座に一本化することによって、余計な手間や手数料を無くし効率性が向上します。
また、融資相談の際に銀行に向かう事も有ると思うので、その時にカードの支払いや税金の支払いを一本化したいと、銀行に手続きをお願いすればすぐに手続きを行ってくれます。
住宅ローン借り換えのデメリット
手数料が発生する
住宅ローンを借り換えの際には様々な手数料が発生してしまいます。
返済額の減少額から手数料を差し引いてもメリットが有るのかを気にしながら検討することが重要です。
それでは住宅ローン借り換えの手数料とはどのようなものがあるのでしょうか?
「繰り上げ手数料」
繰り上げ返済を行うと銀行に手数料を支払わなければなりません。1万円~3万円ほどになります。
「抵当権抹消費用」
従前の住宅ローンの抵当権抹消手続きが必要になります。1万円~2万円が目安です。
新しい住宅ローンを借りるのに必要な手数料
「保証料」
住宅ローンの返済が出来なくなった時に、住宅ローンの肩代わりを保証会社にしてもらうために保証会社に支払うお金です。
数十万ほどの支払いが必要です。
「事務手数料」
銀行に住宅ローン借り換えの事務手続きをお願いするために支払います。銀行によって違いますが数万円ほど。
「抵当権設定費用」
新たに抵当権を設定しなければなりません、その際にかかる費用が3万円~7万円程度。
「印紙税」
借入の金額によって変わってきます。数万円程度になります。
書類の手続きで時間を取られる
今までに住宅ローンを借りてきた人は分かると思います、住宅ローンの借り換えは時間がかかります。
また、必要書類も最初から全て揃えなくては行けないので、役所に足を運び書類を作成し、書類に不備が有れば書き直しが必要になってしまいます。
中には手続きが面倒だという理由だけで、確実に住宅ローンの支払いを減らせるのに借り換えに踏み出せない人も居ます。
時間がかかり面倒な事務手続きを理解した上で、住宅ローンの借り換えを検討しましょう。
住宅ローンの借り換えと信用情報
住宅ローンの借り換えにも審査が必要になります。
借り換えの際に注意して確認される事項が顧客の信用情報と返済実績です。
一度融資に通った経験が有ると「新規で住宅ローンを借りたときは大丈夫だったから今回も問題はないだろう」と言った考えを持ってしまいがちですが要注意、銀行は必ず直近の信用情報の確認と返済実績に目を光らせます。
住宅ローンの借り換えと言っても融資なので、信用がとても大切になります。
中でも一番重要視されるのが住宅ローンの返済実績。
過去に住宅ローンの支払いを滞納してしまった経験はないでしょうか?延滞と言っても数カ月間も支払いをしていない状況だけではなく、「残高不足が発生し支払いが出来なかった、うっかりミスだ」このようなちょっとしたミスでも、顧客の信用情報には延滞履歴有りと登録されてしまいます。
銀行などの金融機関は、信用情報機関に情報開示を行えるので、これで延滞などが続いた履歴が有ると以前は通った融資でも通らなくなってしまうケースも十分に考えられます。
また、信用情報は「信用情報を照会した」という照会履歴も登録されてしまいます。
たとえば銀行に融資を断られてしまい、別の銀行に融資の相談をしに行くと「この顧客は直近に信用情報の照会をされている、断られたから今度はウチに話しを持ってきたのではないか?」と把握されてしまいます。
その状況を防ぐために、複数の金融機関に同時期に申し込みをするといった裏技も有ります。
しかし、一気に信用情報の照会を行ったという事実も、信用情報に登録されてしまうので、住宅ローン借り換え以外の融資相談を行ったときには「まとめて信用情報を照会した過去が有るな」と銀行からは良く見られないのは間違いないでしょう。
住宅ローンの借り換えにも信用情報の照会や、返済実績の確認と言った審査が必要になります。
諸経費もかかってしまいますし、市役所から資料を集め作成する書類も非常に手間と時間が掛かる作業になります。
住宅ローンの返済額減少は魅力的ではあります、時間をかけた分のメリットが有るのかを確認することが大切です。